英単語について

「英語の力は単語力ではない。だから、英単語集を使って英単語を覚えていくのは邪道である。」という意見はある。では、辞書が使えない状況で知らない単語があった場合はどうするのか?と言うと、「前後関係から意味を推測すればよい。」ということになる。
100個の単語から構成される文章があったとして、その内の1語だけの意味を知らない程度であれば推測しやすいかも知れない。だが、あくまでも推測であって合っている保証はない。また、その語が重要なキーワードであった場合、もし正確にとらえられなければ、文章全体の理解が歪んでしまうこともあり得るだろう。それに、知らない単語が20語30語もあったら、もうお手上げ状態である。単語は覚えても覚えてもきりがないように思われるが、それでも出来るだけ多く知っておくのが望ましい。文法力なども無視は出来ないが、リスニングにおいてもリーディングにおいても、知らない単語が一つもなかったら、理解は容易である。知らない単語は、そこで思考を一時停止させてしまう。

私立の超進学校の場合は分からないが、例えば、中学校1年生の時、英語の授業で出てくるような英単語は全部覚えて定期テストに臨んだはず。学年が上がるにつれ次第に授業内容も難しくなり、特に高校に入ると出くわす英単語の数も増える。それでも、定期テストのために何とか全部の単語を覚えるまでは出来るのだが、大学入試には足りないと知る。公立の高校でも気の利いた進学校となれば単語集が与えられ、覚えさせるために範囲を区切ってミニテストが課せられる。

理想を言えば、英文に出会うごとに知らない単語を覚えていくのがいい。ただし、折角覚えた単語も、次に出会うまでの時間が長かったりすると忘れてしまう。見たことがあるけど、意味を思い出せないという悔しい状況にもなる。悲しいことに難しい単語ほど、出くわす機会が少ないように思われる。なので、出くわす機会を増やすという意味でも単語集の利用は有効と思う。

私自身の経験で言えば、高校3年生に上がった頃だったか、学校から一冊単語集を渡された。が、ミニテストは無かったように思うし、それほど頑張って覚えようとしなかった。その代わりに、当時有名だった「試験に出る英単語」を買い、こちらを使って単語を覚えようとした。ただ、この本には例文が載っていなかったため、本当に英単語のみを切り離して機械的に覚えるというものだった。それでもある程度は覚えることが出来、現役での大学入試には失敗したのだが、河合塾入塾の頃に受けた英単語の試験で、推定習得単語数5,500という判定が下された。これは、もし合っていたとしても、使うことの出来る単語数ではない。うろ覚えのものも多かったはず。

社会人になってTOEICを受け始め、暫くしてTOEIC用の単語集を買ってみた。これには例文も載っていたが、覚えては忘れ、忘れては覚えの繰り返し。今でもそうだが、これは凡人にとっては仕方の無いことである。ただし、繰り返していけば少しずつではあるが身に付く単語も増えていく。ある時期、TOEIC受験後、その次のTOEICとの間でこの単語集の勉強しかしなかったことがあった。当然、点数の伸びは考えていなかったのだが、なんと自己記録を更新した。(840点だったかな?)たまたまだったのかも知れないが、地道な努力が実を結んだと前向きに考えた。

私の方針として、知らない単語に出会ったら、必ず辞書を使って引くことにしている。そして辞書には赤ペンで印を付ける。単語の意味が載っている参考書も多く、辞書を引く必要はないのだが、辞書を引く作業を通じて単語が身に付きやすくなると思っているからである。それに、自分の気に入らない訳があったら直したいからである。効率化のためにもわざわざ辞書を引かない人も多いだろうが、辞書を引かずにはいられない。

今は主に2冊の単語集を使っており、最初から最後までやり終えたらまた最初にもどって繰り返している。覚え方は、単語とその例文を数回ずつ音読し、最後に単語を発音しながら紙に5回ずつ書くというやり方である。音読だけで済ませてスピードアップして覚えていく方法もあるだろうが、その場合は自分で書けるほどに綴りまで記憶するのは難しいと思う。

英単語を覚えるのは地味であり、時間がかかるのだが、少しずつでも知っている単語を増やしていこう!

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