7月8日に2018年度第1回国連英検A級2次試験を受けてきた。1週間前に英検1級2次試験を受けたばかりで、実質的な準備期間は一週間であった。しかし、英検の2次試験の出来が良くなく、頭の切り替えがスムーズにいかなかったのに加え、インターネットを検索してもこれといった対策が見つからず、結局試験日前々日になってようやく勉強範囲を絞り込んだという感じだった。
色々迷ったが、6月末に長崎の隠れキリシタンに関わる史跡が世界文化遺産に登録されたことに着目し、それに絡んでUNESCOについても調べた。だが、それだけでは不安なので、ミャンマーからバングラディシュへの難民についても調べた。何れも、WEB上の国連ニュースからまとめて、合わせるとA4に10ページほどとなった。
また、たまたま聞いていた、「知識と教養の英会話」(DHC刊)の音声の中でエジプトの世界遺産に関わる議論があることに気付いたので、その部分についても勉強した。
試験会場は、宝塚大学新宿キャンパス。別の試験で以前一度来たことのある場所だった。集合時刻は11時。もう少し早く行こうと思っていたが、電車に乗り遅れたので10分前位にやっと到着した。受付の際に、受付番号カード, INTERVIEW SHEET(面接シート), INTERVIEW EVALUATION SHEET を渡され待合室に入った。
そこは特A級受験者と共通で使われており、既に50人位いたようだが、私より遅く入って来たのは一人だけだったと思う。英検1級の受験者には中高年層が目立つ程いるが、国連A級では少ないようだ。(特に男性は。)
面接シートには、家族構成, 職業, 趣味, 尊敬する人物, 海外経験などを書くようになっていたが、国連に直接関わるようなものは無かった。書きたくない項目については無理に書かなくてよいということであったが、特に支障は無かったので全部記入した。
英検1級の時と同様、受付順に呼ばれ、面接室の入り口付近に移動し待機するという方式だった。受付が遅かったので、呼ばれたのは12時40分頃だったと思う。その間、例のA4 10ページを繰り返し黙読していた。
前の人の面接が終わっても、面接官がINTERVIEW EVALUATION SHEETに記入するのに時間が掛かるせいなのか、すぐには呼び出しとならなかった。でも、果たして、長身の白人女性(30歳前後と思われた。)が試験室から現れて笑顔で挨拶、いよいよ自分の番だ。
面接室の中は彼女のみで、二つ並べられた椅子の一つには自分の荷物を置くようになっていた。1級の時とは違って、受験者側に机は無かった。面接官とは、英検の時より離れており、1メートル位あった。
さて、本題に入る前の質問。彼女は面接シートに目をやると、「野口英世はどういう人か?」と聞いてきた。
尊敬する人物欄にそう書いたからだ。実は、書く際に、イチローと書こうか迷ったが、もしそう書いていたらこの質問は無かったかも知れない。
想定外の質問で少しびっくりしたが、「彼は日本の昔の医者で、努力家であり、外国に渡って病気の治療法の研究中に亡くなってしまった。」というようなことを話した。
次は、趣味の一つである映画鑑賞について。「どんな映画が好きなのか?」と聞かれたので、「ハリウッドのアクション映画が最も好きで、こういった俳優が好きだ。」と答えた。これについては、一週間前とほぼ同じ。映画好きな人が多いのかな。
すると、「日本の映画はどうか?」と聞かれたので、最初は「あまり見ない。」と答えたが、「でも、サムライ映画は好きだ。」などと答えた。
そして、いよいよ本題。最初の質問は、「アメリカが最近手を引いたことについてどう思か?」というようなことだった。聞き逃したのか、もともとあまり具体的でなかったのか分からないが、「それは難しい質問です。アメリカは国連の中でも最も強大な5か国の内の一つ(常任理事国が英語で出て来なかった)であるので、
他国が干渉しにくい。アメリカは時々勝手に振る舞うので落ち着いて行動すべき。」などと苦し紛れに答えた。
次に、「世界的な高齢化についてどう思うか?」と聞かれたので、日本の場合を例として取り上げ、「日本は外国からの移民を増やして、高齢化によって不足している労働者人口を補うべきだ。日本の若者がやりたがらない仕事も、移民はこなす。」などと答えた。これも一週間前と似ている。
すると、「それによって何か問題は起きないか?」と聞かれたので、「日本人と海外からの移民との間には文化・歴史・宗教・習慣に違いがあるので、コミュニケーションがうまくいかないと争いが起こるかもしれない。なので、日本に来る前に日本語に加え、日本の文化や慣習についても勉強すべきであるし、他方、日本人も彼らの文化や慣習を学ぶべき。」と答えた。
次は、「国連の最近の活動に関して興味があること、最近のことでなくてもよいので話してください。」というように言われた。
ここで、やっと準備した世界遺産の出番だ。
自分が「日本のみならず世界の歴史・文化に興味があり、日本の世界遺産の数も増えて来て、先月末に”Hidden Christian Sites in the Nagasaki Region”がUNESCOによって新たに登録されたこと、他には富士山も世界遺産の一つであり、それは昔からの信仰の対象の山でもあり、私の趣味の一つが登山であるので実際に登ったこともある。」
などと話した。
というところで時間終了。タイムキーパーはいなかったが、面接官はちゃんとその役目も果たしていた。
面接官はアメリカ英語で訛り無し、質問の聞き返しもせずに済んだ。
もっと苦戦するかと不安であったが、結果として、先週の英検1級の面接の時よりはややスムーズに話せたように思う。
結果は郵送で、一か月と少したってから届くようだ。英検1級の方は恐らく不合格と思われるので、こちらは何とか合格点に届くことを祈りつつ発表を待つことにする。
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