私は田舎育ちのため周りに外国人がおらず、外国人と接する機会は全く無かった。地元で大学生となってしばらく経った頃、伯母の一人が息子二人を連れて私の家にやって来た。が、実はその伯母はアメリカ人と結婚して渡米し、何年も日本を離れていたのだった。その息子たちは二人とも私よりも年上だったが、一人は大学生、もう一人は社会人であった。日本人の血が半分混じっているのだが外見は日本人には見えないし、日本語も話せない。なので、彼らとは英語で会話をするしかなかった。英語には自信が無かったのだが、趣味のスキーや好きな外国人歌手や映画俳優のことなどを話したことは覚えている。もちろん流暢に話せたわけではなく、せいぜい短い英文をポツポツ並べたくらいだったと思うが、そんな話題であれば少しは会話が続けられた。相手は従兄なのにほぼ外国人なので緊張した。あとは、トランプをしたり腕相撲をしたりなどした。彼らが離れる際、アメリカには来るのか?と聞かれたので行きたいと答えたが、さらにいつ?と聞かれ、”Some day.”と言ったら笑っていた。
元々、その伯母の家族から主に母の兄や姉の所にクリスマスカードが送られて来たりしていたのだったが、彼らが来日して何年か経った後には遣り取りが無くなってしまい、しばらく音信不通となっていた。妹が知っていた彼らのメールアドレスにメールしてみたが、既に使われていなくなっており届かなかった。ところが、一昨年の夏、妹がFacebookで従兄の一人(ほぼ30年前に私の家にやって来た時に大学生だった)が見つかったかも知れないと電話をして来た。写真では判断がつかず、名前も同じ名前の人が何人もいるので妹も確信は持てなかったのだが、私はFacebook以外にGoogleを使ってその従兄に関する情報を収集し、Facebookから分かる情報と突き合わせてほぼ間違いないと確信し、メッセージを送ったら分かってもらえた。すぐに彼の兄弟姉妹や家族ともFacebook上の友達同士となれた。彼もFacebook上ではあるが私に久し振りに出会えたことを載せ、”lost cousin” と紹介していた。
今、下の娘がワシントン州で留学生活をしているのだが、今年の夏の終わりか秋の初めに合流し、従兄の家に一緒に行ってみようと思っている。30年以上前に “Some day.” と言ったが、それを実現するのである。あの時は話せる話題は限定されていたが、今度はもっと色々なことを話したいと思っている。すごく楽しみにしている。
コメントを残す